2014年9月26日金曜日

擦り合わせ型とモジュラー型

今日は統合型(擦り合わせ型)製品と組合型(モジュラー型)製品の違いについて書きたいと思います。
 統合型(擦り合わせ型)は、最終製品のモデル毎にそれに合わせて、部品間の擦り合わせをしながら部品の最適設計を行い、最終製品を組み上げるタイプです。

事例としては自動車が典型で、新しいモデルを作る毎に、エンジン、足回り、ボディ、外装、内装等の2万点から3万点ある部品を各担当設計者が擦り合わせながら、整合性をとり、仕様を決定していきます。メリットは開発時間はかかりますが、他社が簡単にまねできない独自性のある製品を作り上げる事ができます。

 一方、組合型(モジュラー型)は汎用部品を用い、これらを標準的インターフェースに基づいて、寄せ集め、組み合わせ、結合して、最終製品にしていくタイプです。
事例としてはパソコンが典型で、CPU等の電子部品、電源部品等、標準的な部品を組み合わせて作り上げます。メリットは手間がかからず、低コスト化、短納期化できますが、他社がすぐ真似できるデメリットがあります。

 今、パナソニック、シャープが苦戦している薄型テレビは開発当初は統合型(擦り合わせ型)でしたが、技術の進化により仕様の標準化が進み、統合型(擦り合わせ型)に変化しました。この結果、技術障壁がなくなり、韓国、中国等の競合他社の参入により、コスト競争が激化しました。パソコンと同様な組合型(モジュラー型)製品に変化したということです。

 自動車は技術的ハードルが高く、薄型テレビのように擦り合せ型から組み合わせ型への変化はそう簡単に起こらず、他業界の参入がありませんが、EV(電気自動車)のようにエンジンが無くなり、モータと電池のキー部品があれば、だれでも組立ができる製品になれば、組み合わせ型の変化が起こる可能性があります。

 また、この統合型(擦り合わせ型)と組合型(モジュラー型)製品はこれを製造している企業の組織能力も関係し、日本は統合型(擦り合わせ型)の能力を持っている企業が多く、韓国、中国は組合型(モジュラー型)の能力を持っている企業が多いと感じます。

 パナソニック、シャープのテレビ事業が苦戦しているのは、折角、テレビについて統合型(擦り合わせ型)の能力を持っていましたが、製品が組合型(モジュラー型)になり、その能力を活かせないアンマッチ状態になったからです。
 
事業の成功要因の一つの要素として
企業が持っている組織能力と製品のアークテクチャー(設計思想)としてのタイプ(統合型(擦り合わせ型)・組合型(モジュラー型))の適合が重要な要素になると最近非常に感じます。

2014年9月9日火曜日

シュンペーターが唱えるイノベーション

以前、日経産業新聞にオーストリアの経済学者シュンペーターのイノベーションの 5種類の内容が解説されていました。

彼はイノベーションという言葉を定義した学者で5つのパターンを唱えています

①     新製品・新技術によるプロダクトイノベーション
②     新製法、工法によるプロセスイノベーション
③     新材料、新原料によるマテリアルイノベーション
④     新市場の開拓によるマーケティングイノベーション
⑤     新組織によるオルガナイズイノベーション


企業が外部環境の変化に柔軟に適応し、生き残る為には過去の成功体験、しがらみを捨て
イノベーションを起こす必要があります。

この5つの内いずれかか、組合せでイノベーションを起こしていく事が重要です。
皆さんの組織で、このイノベーションが取り組まれているか確認をしてみてください。

2014年7月4日金曜日

物事の考え方について

皆さん、帰納法と演繹法をご存知ですか。
演繹法は一般的原理から論理的推論により結論として個々の事象を導く方法です。
代表的な手法に、大前提・小前提・結論による三段論法があります。
(例)
大前提(一般的原理)「人間は死ぬ」
小前提(事実など)「Aは人間である」
結論(個々の事象)「Aは死ぬ」

帰納法は個々の事象から、事象間の本質的な結合関係(因果関係)を推論し、結論として一般的原理を導く方法です。
(例)
事例収集(個々の事象)「人間Aは死んだ。人間Bも死んだ。人間Cも死んだ」
因果関係(本質的結合関係):「人間だから死んだ」
結論(一般的原理):「人間は死ぬ」

以上の説明は論理的ですが、わかり難いので、私は次のような説明をよく使います。

「現状から思考し、目指す姿は曖昧だが、問題点を抽出し、改善していく方法が帰納法で、演繹法は逆に現状を認識するが、むしろ目指す姿を思考して、改善していく方法」

現状が複雑で混沌としている時は、先に目指す姿を明確化して、改善していく演繹法が効率的です。
ただ、目指す姿を設定する事は難しい面があるので、現状分析から改善する帰納法を活用し、その後で目指す姿を再度明確にする方法もあります。

また、目指す姿は夢物語では駄目で、低レベルではないですが、リアリティがある目指す姿を描く必要があります。
皆さん日常で、この演繹法と帰納法を使い分けて実践してみて下さい。

2014年3月3日月曜日

ヒエラルキー組織

今日は組織の考え方について書きます。 
一般的な会社の組織は社長、部長、課長、一般社員というような階層別のヒエラルキー組織になっていると思います。

この組織では仕事の指示が社長から部長、課長、一般社員の縦系列に流れ、仕事が進みます。統制がとれ、組織的な仕事が進みますが、どうしても官僚的、硬直的な組織になりやすい欠点があります。

「それは、我々の部門の仕事ではない。責任は他部門にある。」というようなセクショナリズム的な課題が発生します。部門間の横の繋がりが非常に薄くなります。

この課題を解決する為には個人、個人の繋がりを作るネットワーク組織が必要になります。

このネットワーク組織の典型がオーケストラのような組織で一人一人がプロとして指揮者の下で仕事をします。指示命令ではなく、一人一人が繋がりを持ちながら自立的に仕事をしていきます。

最近はヒエラルキーとネットワーク組織の良い部分を組み合わせた組織が、運用されています。

ヒエラルキー組織の中で重要な経営課題がでると、プロジェクト体制をつくり、ネットワーク的な活動で課題を解決します。

典型的な組織例としては、自動車の開発です。車のモデルチェンジに際して、エンジン設計、車体設計、内装設計というように各ヒエラルキーの組織からメンバーを選抜し、プロジェクトを組んで仕事を進めます。選抜メンバーはプロジェクトのリーダーと組織の部門長の二人のボスを持つことになります。

プロジェクトの横とヒエラルキーの縦のマトリックス組織によって組織構造が持つ課題を解決する考え方です。

皆さんの会社の組織はどうなっているでしょうか。問題解決ができる組織になっているか、是非、確認してみてください。

2014年2月18日火曜日

顧客のニーズを掴む手法

今日はマーケティング活動で重要な顧客のニーズを掴む「エスノグラフィ手法」について説明したいと思います。
エスノグラフィとはもともと欧米の文化人類学の分野で生まれたフィールドワーク手法です。語源はエスノが「民族」で、グラフィ「記録」です。
密林や孤島に住む民族の生活や慣習を観察することで、その民族の文化を深く理解することを目的に発展してきました。これをビジネスに応用しようという動きが、欧米企業で起こり、1990年代以降は日本でも徐々に採用する企業が出始め、5~6年前から採用が本格化しつつあるようです。
この手法のステップを説明します。

第1Step
自社の製品を顧客がどのように使っているのか、活用しているかを徹底的に観察します。数人で顧客が製品を活用する現場に出向き、写真を撮ったり、必要に応じて顧客にインタビューをしたりして、できるだけ生々しい「顧客の現実」を確認します。
顧客だけではなく、周囲の環境等も確認することがポイントです。
この内容は「写真」「メモ」に記録し、残します。これを何回か繰り返し、顧客の製品の活用状況の現状を徹底把握します。

第2Step
顧客の現場で入手した事実情報をもとに「顧客の課題」をチームで議論しながら、洗い出し、メーカとして何ができるかを検討します。課題の抽出と解決策の検討です。

第3Step
顧客の課題の洗い出しが出来ると、ペルソナという製品を使用する時に「色々な課題」を抱える架空の人物を設定します。たんなる架空の人物ではなく、年齢、家族構成、仕事内容等できるだけ、詳細な人物像を設定します。

第4Step
このペルソナが開発製品を活用するシーンを具体的に設定します。

第5Step
顧客の課題を解決する製品のプロトモデルをつくり、ペルソナの活用シーンで課題解決ができるか検証し、プロトモデルの修正をします。

第6Step
プロトモデルを実際の顧客に活用してもらい、評価を実施し、プロトモデルのブラッシュアップを図ります。

以上がエスノグラフィ手法の流れですが、顧客の潜在ニーズを掴み、顧客にとって価値ある製品を作り出す為の非常に良い手法だと思います。

2014年2月10日月曜日

人財について

以前、じんざいについて、ブログを書きましたが、再度投稿したいと思います。
通常使うじんざいの漢字は「人材」ですが、本当は4つの「じんざい」の漢字がある事をみなさんご存知ですか。 「人財」「人材」「人在」「人罪」の4つです。

1.「人財」とは会社が求めている、良い「じんざい」
  自分で考えて、自分で成果をあげられる人

2.「人材」とは会社が求めている、普通の「じんざい」
  言われた事なら、自分でやりきれる人

3.「人在」とは不況になると辞めてほしい「じんざい」
  言われた事を言われた通りにやるだけの人

4.「人罪」とはできるだけ早く辞めてほしい「じんざい」
  言われた事もできないのに不満が多い人

4つのじんざいの意味がありますが、特にこの中で会社が求めているのは人財です。
この人財になる為の「7つの条件」を理解して、人財になる努力を是非してみてください。

人財になる為の7つの条件
1.明るく元気な挨拶ができる
2.言われなくても、自分で考え、行動できる
3.人が嫌がる事でも、進んで取り組める
4.常に「どうしたらできるか?」を考える
5.仕事の納期をきちっと守ることができる
6.ミスやクレームなどの報告をすぐにできる
7.人が見ていなくても、手を抜かずに仕事ができる

2014年1月20日月曜日

ムダな在庫を抱えていませんか

在庫について本日は書きたいと思います。
メーカであれば、大抵、在庫の問題が発生しています。

製品の在庫を持つ目的、理由は色々言われますが、基本的には1つしかないと思っています。製品を購入する際に「顧客が待てるリードタイム」と「製品を造るリードタイム」のGAPを解消する為に製品の在庫がいります。

屋台のラーメンのように顧客が注文してから製品を造る受注型では在庫は基本的に「0」で対応できますが、顧客が即日にほしがる家電品のような製品は、在庫がいります。

ところがインフレ環境では在庫を持っていても、いつかは販売でき、在庫が無駄にならないのですが、最近のデフレ環境では在庫を持っていても、顧客の要求が変わる事により製品のモデルチェンジ等が発生し、在庫がすぐ陳腐化します。まさにハードの製品が生鮮食料品化しているようです。

この結果、販売できない陳腐化した在庫が増えると、製造費用がキャッシュに変換されていないので、経営の資金繰りに悪影響を与えます。また、ムダな在庫管理費用等がかかります。

ところが、在庫が資金繰りに悪影響を与える事はわかっていても、できるだけ在庫を持って、販売の機会損失をなくしたい営業側と、できるだけ在庫を持たずに生産をしたい工場側の意識GAPにより、ムダな在庫が発生します。また、工場側でも販売の見込みが無くても、生産の稼働率を上げるために、フル生産をしてムダな在庫を積み上げる場合があります。

これを解決する理想は屋台のラーメン屋の受注生産方式ですが、見込みで製品を造らざるおえない場合は、製品の販売予測精度を上げ、これに基づいて生産計画を立案し、売切る前提で在庫を持つ対応が必要になります。

販売側と工場側の連携が最重要で、この改善手法がトヨタのJIT生産方式、或いはサプライチェーンマネジメント(SCM)として有名です。

皆さんの会社はムダな在庫はありませんか?是非確認してみてください。

2014年1月16日木曜日

商品企画について

今日は商品企画について、説明したいと思います。

商品企画は
(1)    顧客に受け入れられる 
(2)    競合に勝つ 
(3)    利益を確保できる   の3つの要素が必要です

コンサルティングをしている現場では、競合企業との競争ばかりに視点がいき、顧客を忘れた商品企画を立案するケースが意外と多く見受けられます。

顧客を忘れた企画の製品が売れるはずがありません。特に高度成長時代は企業のご都合主義で考えたプロダクトアウト的製品が売れましたが、今のデフレ環境では顧客の潜在・顕在ニーズを満足し、顧客が製品を使う事により、ある価値を提供できる製品が必要になっています。

最近の家電製品では羽根のないダイソンの扇風機、部屋を自動で掃除してくれるロボット掃除機ルンバのような顧客になんらの価値を提供できる製品がヒットしています。

小さい子供がいる家庭では羽根のない扇風機は安心、安全の付加価値を生みますし、掃除ロボットは忙しい共稼ぎの主婦にとっては、掃除の手間を省いてくれるありがたい存在です。

顧客が何に困っているかを知り、顧客の困り事を解決する事が、顧客のニーズに対応する事になります。

また、顧客のニーズに対応した製品のセールスポイントは
(1)    見てわかる 
(2)    使ってみてわかる
(3)    使い終わってわかる
の3視点で思考してみるとわかりやすいと思います。
身の回りにある製品をこんな視点で考えてみるのも面白いと思います。

2014年1月14日火曜日

どんな所にもコンサルティングノウハウがある

今日は息抜きのブログを書きます。 
5年前ほどから2ヶ月に1回、歯のクリーニングをしています。今日もその日だったのですが、今日の歯科衛生士さんの対応に非常に感激しました。

何に感激したかというと、まず誉められた事です。前回の私の歯の磨き方が悪く、歯にクラーク(食べかす)がかなりついていたのですが、歯の磨き方の指導を受けて、2ヶ月
かなり丁寧に磨きました。その結果、非常にきれいになっていると誉められ、かつその歯科衛生士さんが「こんなにきれいになっているなんてうれしい」との発言が・・・。
人は誉められるとうれしいもんです。

今日のクリーニングもまず、歯と歯茎をチェックした後、現在の良い部分と問題箇所を手鏡を私に渡して説明、クリーニング後にまた、その状態と今後の歯磨きの方法を丁寧に説明してくれました。

これが、二番目に感激した内容です。単にクリーニングをするだけではなく、患者サイドにたって、色々指導をしてくれます。

歯医者に行くのは普通、そんなに楽しい事ではないのですが、これからは楽しみになりそうです。

ところで、よく考えてみるとこの歯科衛生士さんは患者に丁寧なコンサルティングをしてくれているようです。

患者の現状分析をして、問題をみつけ、説明、改善し、その後の患者が自立的に課題を解決できるようにフォローアップの指導もする。
また、患者がやる気になるように誉める事も忘れない。
まさに、我々の職務の優秀な経営コンサルタントのようです。

見方によって、いろいろな所でコンサルタントノウハウを発見できるのはうれしいですね。

2013年12月17日火曜日

経営マネジメントに必要な組織改革

今日は組織改革ついてお話したいと思います。

以前、ブログに書きましたが、
経営マネジメントとは
①戦略の改革 ②組織構造・仕組改革 ③人事・教育改革 ④組織風土改革です。

この中で、企業は定期的に市場環境の変化への適応と組織のマンネリを防ぐ為に、
組織構造改革を定期的に実施する必要があります。

ところがいざ、この組織構造改革の議論をすると、反対意見が色々でます。

組織を変えたら、以前に対して売上が下がったらどうしよう。
利益が上がらなかったらどうしよう。
適切な人材がいないというように。

しかし、組織改革は現状の組織が機能不全になっている、
新たな市場環境に適応しない、何十年も同じ組織の為に業務がマンネリ化している、
というような問題を解決する為に実施されます。

言い換えると組織改革は「変える事に意味」があると考えるべきと思います。

当然、新しい組織にする時は、
その組織改革の狙い、各部門組織の役割、ミッション、職務分掌等を整備し、
組織構成員に変革の意味を周知徹底する必要があります。

皆さんの組織でも、組織変更の意味、必要性を十分、考えてみてください。

2013年9月20日金曜日

トヨタの在庫管理をヒントに

今日は在庫について、書きたいと思います。

皆さんの会社で在庫はどんな意識で捉えられているでしょうか。
トヨタでは在庫がある事は悪と考えよと教育されます。

在庫は現場で製造されたものが会社にストックされていて、お金、キャッシュに変わっていません。また、現状のデフレ環境下では、在庫は瞬く間に陳腐化して、販売できなくなります。
高度成長時代の環境では大量に在庫を持っていても、いずれは販売でき、問題なかったものが、現在では、在庫が生鮮食料品化して、瞬く間に廃棄しなくては駄目な状況になります。
以上の観点から、結果として、在庫は会社のキャッシュフローの悪化をまねきます。

トヨタのジャストインタイム(JIT)が米国で変換されたサプライマネジメント(SCM)経営手法では、このムダな在庫を削減する為に企業間の三つの流れの改善をとなえています。
①顧客⇒企業⇒調達先間について情報の流れの停滞改善
②調達先⇒企業⇒顧客間について部品、製品の物の流れの停滞改善による在庫の削減
③顧客から製品を販売した結果によるすばやいキャッシュの回収

考え方としては「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」生産し、顧客に届け、在庫を限りなく削減する思想です。

良く、例えで言われるのは、屋台のラーメン屋です。当日に販売する食材とスープを仕込み、顧客の注文を受けてから、麺をゆで、スープをいれ、具材をいれ、完成させて顧客に出します。材料が全て無くなれば、看板を下ろします。在庫はまったく残しません。

企業ではなかなか、屋台のラーメン屋のようにいきませんが、究極目指す姿は部材在庫、仕掛在庫、完製品在庫が限りなく、少なくなる仕組を、その企業の業態の特性に合わせて考えるべきと思います。

皆さんの会社では在庫削減の為の取組をされているでしょうか。是非検討してみてください

2013年9月11日水曜日

組織風土の課題

組織風土について、最近、コンサルティングの現場でよく話がでます。経営課題は環境変化に応じて変化しますが、会社組織の皆さんが能動的にやりがいをもつて、ベクトルをあわせて、働く為にはどうしたら良いのかという組織風土の課題は定常的におきます。

今日はこの課題について、お話をしたいと思います。

まず、組織風土の定義ですが、このように考えています。

組織風土とは個人が認識する固有的な組織の特性で、組織の共通の価値観として個人の行動を規制する働きをもつもの。

わかりやすくお話すると、個人が集まった組織体が長年の歴史の中で、自然に共通の価値観を作り出し、この価値観で行動するようになることです。

例えば、トヨタの組織風土は、仕事は「業務+改善」と全員が考え、常に仕事をしながら改善をする事が当り前になっています。共通の価値観が「改善をし続ける」事です。

この組織風土はその会社のおかれている業界、顧客、経営者、製品、歴史等様々な因子で形成されます。トヨタのように良い組織風土ならば問題ないのですが、組織のベクトルが悪い方向に向くような風土では改善が必要になります。

そこで組織風土を改善する為にその構成要素を考えてみました。
①     共通の価値観
組織が同じ方向に向かってベクトルをあわせて行動しようとする感情
②     同一の危機感
どんな状況でも、常に現在と将来に対して危機感をもち、一層の改善を実現しようとする感情
③     自信と信頼
自分の持っている能力を信じ、他人の持っている能力を信頼し、仕事をする感情
④     感謝の気持ち
自分達が現在の状況でやっていけるのは他者から受けた支援の結果であると気付き、常に感謝する気持ち、感情
⑤     高い欲求水準
今どのような状況であろうとも、その状態に満足することなく、常に自己を律しながら目指す姿を達成しようとする感情

皆さんの会社の組織風土について、この要素にあてはめてみて、問題を探り出してみてください。

2013年9月3日火曜日

海外進出のステップ

今日は海外進出のステップと注意点について、説明したいと思います。

現在、国内がデフレ経済で需要が減少している中で、海外に進出する企業が増加しています。取引先の要請、国内の売上補完、コストダウン、市場拡大、人材活用等色々の海外進出する狙い、背景があります。この時のステップと注意点について解説します。

1.海外進出の前提条件の検討
1)      海外進出する目的、狙いを明確化する
2)      海外進出するフェーズの検討をする
(1)   第1フェーズ  製品の輸出
(2)   第2フェーズ  現地生産  
(3)   第3フェーズ  現地販売
(4)   第4フェーズ  現地開発
3)      投資額と回収の見込み検討
4)      利益回収方法の検討
配当金、ロイアリティ、内部留保等の検討をする

2.進出先の選定
1)      海外進出の目的にあった進出先検討
2)      進出先の国民性、賃金上昇カーブ確認
3)      カントリーリスク等の検討

3.進出形態の検討
1)      レンタル工場レベル、建物を賃借、工場を一から建設等のように進出形態を検討する
2)      合弁か独資かの検討が必要だが、株主の経営に対する思想、意志が整合しないと合弁会社は運営が非常に難しい

4.生産拠点の設立
 1)工場建設、工場の内装、外装工事等の契約は必ず書類で実施する。口頭契約は揉め事の元
 2)建設図面で詳細な打合せを実施する
 3)検収時は細部まで確認する。手抜工事は当り前と思うべき

5.組織機能、仕組について
1)      基本は日本の工場をマザー工場として、日本の仕組、システムを移転する前提で組織機能、仕組みを作る
6.組織体制と人材について
1)      基本は性悪説で組織を構成する
2)      日本人の経営者、スタッフ⇒ローカルの経営幹部、スタッフ⇒ローカルの作業者の組織体制を作る
3)      金銭に関わる仕事はできるだけ日本人スタッフで実施する

海外進出の検討は製造業にとって、必須になりつつありますが、成功する為には基本のステップとそのポイントを守りながら、スピードをあげた行動が必要だと思います。

次回は工場運営、労務管理、国別事情を説明したいと思います。

2013年8月27日火曜日

一流とはなにか

今日は一流とは何かを考えてみたいと思います。

先日、羽生善冶 名人のある名言を知りました。
「三流は人の話を聞かない。二流は人の話を聞く。一流は人の話を聴いて実行する。超一流は人の話を聞いて工夫する。」

私も経営コンサルタント業を22年経験し、この言葉は非常にしっくりきます。

私の仕事でも大切な事は
①    人の話を聞く事
②    人の話の中に本質的な問題点を見つけだす事
③    問題を解決する改善案を検討する事
④    その改善案を実行に移す事
⑤    実行した結果のレビューをする事
の5段階です。
まさに、「超一流は人の話を聞いて工夫する」事です。

この5段階を実行する為には「人の話を聞く為の謙虚さ、物事の本質を見極める思考能力、問題を解決する知恵、工夫、実行の為の行動力、執念」の姿勢が必要です。

クライアント先の経営者でも、一緒に仕事をさせていただいて、感銘を受ける経営者は、羽生善冶 名人の言葉の「超一流は人の話を聞いて工夫する」を実行されています。

この考え方は我々のようなコンサルタントだけではなく、社会人として人生を成功させたい方にも共通する考え方だと思います。
皆さんもこの言葉を是非実行してみてください。

2013年8月20日火曜日

本物の経営者とは

仕事柄、色々な経営者とお会いし、お話しする機会が多いですが、
優秀な経営者としての必要な要素は何かと考えさせられる場面が多々あります。
上から目線のプライドが高い経営者、経営手法ばかりを語る経営者、
経営数字のみに固執する経営者、夢物語ばかりで現実を直視しない経営者、社員をモノとして扱う経営者。
人間が千差万別のように経営社のタイプも色々です。
私が考える本物の経営者は5つの要素を備える経営者だと思います。

1.過去の実績、現在の状況を素直に捉え、戦略の転換を勇気をもってできる。
  過去の成功体験にとらわれない。戦略ミスを素直に受け入れる


2.売上至上主義から利益重視主義に思想を変える。
  デフレ環境の中で売上のみを重視しないで、利益を確保する事を最重要に考える。


3.利益確保の為の経営改革施策を立案、実行する。
  営業戦略、営業構造の見直し、コスト競争に陥らない独自性製品の開発、変動費、固定費の低減。
  
4.私心の強い経営者ではなく、謙虚さをもつ経営者である。
  自分ではなく、人に助けてもらう思想を持つ。人の話を聞く、自分の考えを押し付けない。
  会社は自分のものではなく、従業員、株主、顧客、仕入先のものの認識が必要。


5.本物を見抜く力を身に付ける。
  適材を見抜き活用する、うわべの話にだまされない。


皆さんは本物の経営者の条件はどう思われますか?

2013年8月16日金曜日

製造業が元気になるポイント

先日、製造業が元気になるモノ造りというセミナーで講演をしました。今日はその講演の要点を説明します。

セミナープログラムは下記①~⑤の項目です。

①1980年から現在までの経営環境の変化と企業の戦略の変遷について
②現在の自動車、家電メーカーの業績について
③家電メーカの業績悪化要因について
④韓国の代表的メーカ、サムソン電子と中国メーカの経営分析
⑤グローバル展開の中で日本の製造業が復活する秘訣について

バブル崩壊前の企業の戦略は多角化でバブル崩壊以降は選択と集中の戦略をとりましたが、テレビ事業に過度な集中戦略を取った家電メーカーの業績が軒並み悪くなっています。一方で、開発技術、生産技術等を日本から吸収し、グローバルな市場のマーケティングを実施、商品の企画に落し込み、設計開発・生産をしたサムソン電子はテレビ事業でも好調な業績を保っています。
集中戦略は誤りではないのですが、市場環境の変化に俊敏に対応した集中戦略と市場のニーズに適応した商品企画開発が必要です。
従来の日本の強みのモノ造りだけではなく、顧客にとって、価値がある商品をタイムリーに市場投入できる企画開発力を磨く事が必要と考えます。

その観点で日本の製造業が元気になる秘訣は
①市場をグローバルに捉え、環境変化に俊敏に適応した事業戦略の革新
②モノ造りを磨きながら価値造りへの変革
 差別化製品(顧客に取っての価値製品)企画力強化とITを活用したデジタルモノ造り
③グローバル人材の採用、育成
④日本の中だけでガラパコス化している組織の風土改革
です。

2013年8月8日木曜日

口頭伝承の文化でよいのか

今日は文書化の必要性についてブログを書きます

コンサルティングをしている現場で口頭伝承の文化をよく、感じるときがあります。会議の議事録をかかない、上司に口頭の報告で済ます。文章にする事が面倒なのか、なかなか文字にして表現しない場面を多々見ます。欧米の企業では様々な人種の社会の中でビジネスが進められる為に、相手に意志を伝達する手段として必ず紙に書く事が常識になっています。日本は単一民族の為、口頭でも意志伝達が容易な事が文章を書かない要因なのかもしれません。

文字にして表現する事のメリットを考えると
1.書く事により、頭の内容を整理する事ができる
2.記録として残る為、後で記憶に頼る必要が無い
3.情報を受信する側も口頭より文章のほうが内容を理解しやすい

われわれのコンサルティングの場面で、口頭による空中戦の議論より、板書をして議題を整理する事がよくあります。話の内容が複雑になればなるほど、板書をする事により議論の展開が非常にスムーズになります。聴覚だけではなく、視覚も使う方が思考回路がうまく働くのかもしれません。

皆さんも仕事の場面で、できるだけ、口頭のみを少なくして、文字で表現して相手に意志を伝える事を是非、実践してみてください。

2013年7月25日木曜日

情報システム活用による経営改革

過去に、低コスト経営時代に勝ち残る「業務改善とIT活用によるコスト削減の具体策」というテーマで、情報システム会社が主催するセミナーが行われ、私が基調講演を行いました。

基調講演は「低コスト経営時代に求められる経営革新のあり方」と題して、経営環境の認識とその中で求められる経営革新の進め方、情報システムを活用した改革の進め方を講演しました。

以前、日経産業にマツダの開発効率をアップする手法として「競争力 エンジン役はIT」の記事がのっており、ますます、情報システムの活用が経営改善に必要になってきていると思います。今日はこの時の基調講演の内容を説明したいと思います。

リーマンショック以降、日本経済が不況になり、円高、株価低迷、総じて企業業績も悪化しました。特に基幹産業である自動車の国内生産台数減少、住宅着工の減少が顕著で内需拡大が難しく、東アジア(中国、韓国)、東南アジア、南アジア(インド)の新興国への外需の対応が必要になりました。
最近、企業の業績に明るい兆しが出始めましたが、これは、デフレ環境の中で企業が、中国、インドへの海外シフト、低価格商品の開発、EV、HEV等の革新商品の開発等、環境の変化に柔軟に適応した結果だと思います。

環境変化に適応した事例では日本電産、ニトリ、マクドナルド、ユニクロ、コマツを取り上げました。
これらの企業の共通点は、「オフェンス(攻め)とディフェンス(守り)経営」の推進を進めている事です。

オフェンス(攻め)経営として顧客の創造を前提に売れる製品の開発、ディフェンス(守り)経営として固定費の低減、変動費の低減を進めています。

このオフェンス(攻め)とディフェンス(守り)経営を支援するツールとして情報システムがあります。オフェンス経営ではITを活用して新規顧客開拓、新製品開発、ディフェンス経営ではITを活用して業務プロセス改善を進めます。この業務プロセス改善の中身として、経営プロセス改善ではERP、開発プロセス改善ではPDM、生産プロセス改善ではSCM、販売プロセス改善ではSFA、この全てを包含したPLMがあり、これらの情報システムツールを活用して改革を進める事が現在の経営ではスピード、効率性、効果性を考えても重要です。

但し、ITを活用した業務プロセス改善の場合、IT導入と平行して業務改善を進める必要があります。ITツールを導入して、業務改善がなされなければ効果がでません。

業務改善は現状の仕事の内容について目的を追究し、その仕事が行われている要因を調べ、他と比較する事により問題点を抽出し、その問題点を解消する改善案を検討し、実施します。

以上が講演の要点ですが、このITを導入する場合の成功ポイントを説明します。

1.構想段階
・経営戦略上のIT導入の位置付け明確化する
2.企画段階
・IT導入の直接目的、目標明確化する
・事業特性、商品特性、生産特性に合ったIT導入範囲、導入方式の決定をする
3.構築段階
・業務改善とIT適応設計を平行して実施する
・優秀なSIベンダーの選択する
・パッケージシステムの場合はカスタマイズ、アドオンの最小化を目指す
4.導入段階
・システムに適応した組織変更の実施する
・徹底したシステム、データ精度検証をする
5.本番稼動段階
・     早期問題抽出と前向きな対応策の検討を実施する

以上の各段階別に成功ポイントを考えながら、情報システムの構築が重要です。

2013年6月27日木曜日

トヨタの品質問題

過去にアメリカで、トヨタのリコール問題が大きく取り上げられましたが、この問題で日本経済新聞に「トヨタリコール問題を聞く」と題して、米ペンシルベニア大ウォートン校准教授のラリー・ハービニアック氏と、米ミシガン大教授のジェフリー・ライカー氏のコメントが記載されていました。

ラリー・ハービニアック准教授は、この品質問題は品質を絶え間なく改善する「トヨタ文化」を世界の他の地域にうまく輸出できなかった結果ではないかと説いています。
品質より販売台数やコスト抑制が優先課題になっていなかったかと反省すべきだと話をしています。

一方のジェフリー・ライカー教授は、不具合はフロアマットやアクセルペダルの部品が主要な原因。また、プリウスは非常な複雑なブレーキ制御システムの中の1つのエラーだと説明し、この不具合でトヨタの技術力やモラルが低下している証拠はどこにもなく、この事でトヨタの経営や技術力を否定するような批判がでているのは非常に残念と説明しています。新聞、テレビの過剰ともいえる報道の結果、消費者の不安が想定を上回って高まっているとも話をしています。

二人の教授は正反対的な意見を述べていますが、私はジェフリー・ライカー教授のほうが適切な意見を述べているのではないかと思います。トヨタの問題を不具合発生そのものハード面と不具合発生時の対処方法のソフト面で考えてみます。

私もクライアント先の品質問題の解決を指導する場面が多々ありますが、大切な事は不具合が発生している現象と原因を正しく分析し、適切な改善策と今後の歯止めを実施する事、そして改善策を顧客に適切なタイミングで情報開示する事と思っています。

フロアマット不具合は、その要因が純正の全天候型フロアマットを固定せず使うと、マットが移動してアクセルペダルと干渉してアクセルペダルが全開になり戻らなくなる。アクセルペダル不具合は、アクセルペダル内部のフリクションレバー部が磨耗した状態で、この部分が結露するとアクセルの戻りが遅くなる。ブレーキ制御システム不具合は、低速で滑りやすい路面でABSが作動すると制動力の変化がおき、制動距離がドライバーの期待値より変化する。というような現象、原因が公開情報でわかります。

トヨタはセオリー通り、数百人の日本の技術陣を米国に送り、3現主義に基づいて記載したような現象、原因を確実に分析して暫定策、恒久対策を図ろうとしましたが、顧客の不安のほうが先に高まり、その対応を誤った結果としてトヨタバッシングになったのではないかと考えます。

製品そのものに対応するハード面の適切な処置と、顧客に対処するソフト面の処置がうまくリンクする必要があります。その観点から不具合が発生した場合は、現象・原因・対策の早い見極めと顧客への適切な情報開示が必要と思います。また、ハード面の改善策は信頼性工学でいわれる発生している現象を直接防ぐ対策と、故障が発生しても致命的な不具合にならないフェールセーフ的な対策が必要と考えます。この点ではトヨタは、この不具合でアクセルペダルが踏み込まれたまま戻らない異常が発生した場合は、ブレーキを踏めばとまれるシステムを、今後市場投入する全モデルに採用しました。

この品質問題を教訓として、他の日本企業も品質優位な経営を実行してほしいと思います

2013年6月17日月曜日

サムソン電子の経営の特徴

先日、リバース開発について、投稿をしましたが、
今日は第二段でサムソン電子の経営の特徴を説明したいと思います。

①トップダウン型の意思決定による俊敏な経営
 携帯電話のように製品のモデル変更のサイクルが早くなり、強力なリーダーシップによるすばやい意思決定を実施している



②グローバルな各市場で戦略的なマーケティングを実施
 日本企業のように、日本市場の製品を海外市場に持ち込むのではなく、各国の市場を戦略的にマーケティングし、顧客ニーズに適合した製品企画、開発を実施している



③要素技術、先行開発の調達
 日本企業のように全て自前主義でこだわるのではなく、自社でできない、要素技術、先行開発内容については、グローバルに他社から調達をする



④フォワード型設計ではなくリバース型設計推進
 全世界の他社の新製品を常に比較・解析し、機能、機構、仕様を見直し、顧客ニーズにあった量産開発を実施する



⑤グローバルに必要な人材の確保、育成
 グローバル展開できる人材を常に確保し、育成している。日本の技術者もこの人材戦略で確保し、日本の先端技術を調達している



いずれの内容も現在の日本の家電メーカにはない経営の仕方で、早急に、日本流の新たな経営の仕方を考え、実施する必要があると思います。