2013年3月29日金曜日

「HOW」ばかりで「WHAT」が少ない

私の尊敬するイノベーションを生み出す経営で著名な野中郁次郎先生は、
最近の日本の経営者は「HOW」ばかりを語り、「WHAT」をあまり語らなくなっているといわれています。


私も仕事で目的の考え方と重要性の研修・指導をよくしますが、
目的「WHAT」を忘れて、手段「HOW」が目的になってしまう場面を企業経営でよくみます。


ほとんどが手段は今見えている仕事、ものを表し、
目的はその仕事、ものが無かったら
何が困るかで考えると比較的わかりやすくなります。


例えば、灰皿の目的は何かというと「タバコの灰、吸殻により周囲を汚さない事」で、
手段はその為に「タバコの灰と吸殻をたくわえる」という事になります。

皆さんの仕事、身の回りのものについて目的は何かと考えてみてはどうでしようか。

ちなみに目的が曖昧、必要がない仕事、ものは無駄という事になります。

2013年3月25日月曜日

トップダウン・ボトムアップ

トップダウンとボトムアップという言葉をみなさんよく聞くと思います。


トップダウンは、欧米経営の組織運営にて主体で使われており、ボトムアップは日本的経営の要素が強いと言われています。
最近、台頭している中国、台湾、韓国の経営も欧米的なトップダウン経営が主流です。
トップダウン経営手法は色々ありますが、その1つとして米国で開発されたバランススコアカードがあります。


この手法は経営課題を経営成果(財務の視点)をだす為に、顧客にどう向かうか(顧客の視点)、内部の業務の仕組をどう改善するのか(内部プロセスの視点)、人材をどう育成するのか(学習と成長の視点)の4つの視点で抽出し、トップダウン型で組織に落し込み、解決していく手法です。


一方でボトムアップ型では、過去盛んに日本の企業で実施されていた、QCサークル活動、小集団活動があります。この手法は現場で起きている問題を、上司から言われなくても、現場のメンバーが問題提起して、自ら解決していく活動です。
1980年代に日本製品が品質について全世界で認められるようになったのも、この手法のおかげです。ただ、最近はこの小集団活動は形骸化してあまり実施されなくなったと思います。


トップダウン、ボトムアップのいずれの経営手法もメリット、デメリットがありますが、
トップの意志を組織に落とし込むトップダウン経営手法と実務現場が自立的に行動するボトムアップ経営手法の両輪をうまく融合化して、経営を回していく事がベストな方法と日頃考えています。

2013年3月19日火曜日

帰納法と演繹法

今日は二つの改善の思考法についてお話したいと思います。


1つは帰納法という思考方法です。
「現状を詳細に分析して、問題点を見つけ解決し、改善を進めて行く思考方法です。そもそも問題点は現状とあるべき姿のGAPですが、思考する人のあるべき姿に照らし合わせて、問題点を洗い出していきます。」


もう1つは演繹法という思考方法です。
「現状は認識レベルで緩やかに捉え、むしろ、あるべき姿を最優先で描きながら、これを実現すべく改善を進めて行く思考方法です。」


それぞれ有効な思考方法ですが、現状にとらわれず、大きな改善をしたい時は演繹法を使います。ただ、あるべき姿を描く事が難しいという欠点はあります。


また、帰納法は現状ベースに物事を考えるので、思考的には比較的、容易というメリットはありますが、現状から抜けきれないので、大きな改善ができないという欠点はあります。


状況に応じて、この二つの思考方法をうまく使い分ける事をお勧めします。

2013年3月14日木曜日

日本の製造業の勝利の原理原則

先日、我々のようなコンサルタントをクライアントに紹介してくれるエージェントの方と色々お話をしました。


その時に、日本の製造業の今後の展開の可能性について議論になりました。
皆さんも、新聞紙上でご存知のように、ソニー、パナソニック、シャープというような日本を代表する家電メーカーが、軒並み巨額の赤字をだしています。


この敗因は、研究開発から液晶パネルなどの部材の製造、組み立てまで一貫して自前でやる垂直統合モデルのテレビ事業が、6重苦といわれる円高、重い法人税、厳しい労働規制等の条件下で、韓国、台湾勢には勝てなかった為といわれています。


しかし、一方で同じような環境下でトヨタ、日産、ホンダ等の自動車産業は好調で収益を確保しています。


この違いは何かと考えてみますと二つあると思います。


1つは販売価格のコントールの差があります。
家電メーカーは量販店により、販売価格をおさえられているのに対して、自動車メーカーは自前の販売店をもち、価格がコントロールできます。特に、このデフレ環境下で販売価格をコントロールし、価格競争を避ける事は収益に大きな影響を与えます。


2つ目が差別化できる商品開発です。
フラットテレビを国内外の各社が投入した結果、商品の差別化がなくなり、顧客は、どのメーカでも選択ができ、まして低価格の海外メーカーの優位性が増しました。
一方で自動車メーカーは既存のガソリンエンジンだけではなく、ハイブリッド車、電気自動車、ディーゼルエンジン車等各社、独自の商品開発をして差別化商品を出しています。
どのメーカでも差がないフラットテレビとメーカ毎に差別化している自動車の違いが大きいと思います。


当たり前の事ですが、販売網をおさえて、差別化商品を出し続ける事が今後の日本の製造業の勝利の原理原則だと思います。

2013年3月8日金曜日

プロフェショナルマネジャーのダイジェスト版

今日はお薦めの本誌を紹介します。

ある日、ビジネス本の棚に目立つ黄色の表装で「プロフェショナルマネジャー・ノート」という本を見つけました。

著者は、ハロルド・シドニー・ジェニーンでニューヨーク証券取引所のボーイから図書の訪問販売、新聞の広告営業、会計事務などを経て、ジョーンズ・アンド・ラフリン社レイシオン社で企業の経営に参画。
1959年ITTの社長兼最高経営責任者に就任。アメリカ史上空前の記録「58四半期連続増益」という金字塔を打ち立てた人です。


ユニクロの柳井社長が自分の人生で最高の経営の教科書と言っている「プロフェショナルマネジャー」のダイジェスト版でわかりやすくした本です。


内容は、わかりやすく1時間ぐらいで読めましたが、言葉一つ一つが重みがあり、経営者、管理者の方々に是非読んでほしい本です。


例えば、「事実をチェックする。その事以上に重要な経営の仕事はない。」という一説がありました。経営者は部下の報告等で事実を確認しないまま、意思決定をすると間違いをおこすという事を本人の事例をふまえて、書かれていました。


私は経営コンサルタントの仕事をしていますが、経営者が部下の表面的な説明を鵜呑みにして、間違った判断をしている場面によくでくわします。我々、外部のほうがむしろ正しい事実を知っている為、間違いを正す事があり、まさに、この事を説いている一説です。


是非、興味ある方は読んでみてください。

2013年3月4日月曜日

経営者の想い

先日、クライアント先の経営者と食事をしながら色々、話をする機会がありました。
現在、新たな中期経営戦略を構築中で、現状をブレイクスルーするような経営戦略、経営計画を立案したいというお話でした。


経営者の役割は短期的な視点ではなく、中期的な視点で外部環境の変化を予測しながら、戦略を考える事が役割だと思います。


管理職はそのトップの考えた方針、戦略を具体化して、組織に落とし込み、実行できるようにする事とPDCAのサイクルを回す事が役割です。


担当者は、この具体化された戦略を実行し、成果をだす事が役割になります。


肝心の経営者が現状の管理が手一杯で、先のことを考えていない会社は結果として将来が無いと思います。