2013年5月10日金曜日

ESがあってのCS

あるセミナーでES(従業員満足度)調査によって満足度をはかり、組織活性化を実現する内容の講演を聞きました。
従業員満足度を①会社との関係 ②上司との関係 ③仕事の内容 ④職場環境 ⑤制度の観点で測定し、組織活性化に結びつける内容です。


最近、企業内で顧客満足度の話とあわせて、従業員満足度向上のテーマがよくでます。各企業がモラルサーベイと称して従業員満足度のアンケートをとり組織の活性化に取り組みだしました。

なぜこの現象が最近でだしたかと考えてみますと、高度成長期の日本の企業はもともと、終身雇用制度、社員旅行、保養所施設等、組織の和、コミュニケーションを大事にする仕組みが色々あり、意識しなくても従業員満足を果たせていました。

私も、自動車メーカ設計部隊の勤務時代は、徹夜等の忙しい仕事の中で週末になると、部下と飲ミニケーションを図り、仕事の達成感、悩み等を共有し、仕事をしていた記憶があります。

しかし、バブルが崩壊し、高度成長時代が終わると、企業の体質改革の為に組織の効率化が最優先され、人員削減、能力主義の人事制度への変換等により、組織がギスギスし、組織内コミュニケーションの低下現象が発生しました。

また、アメリカの経営学者ドラッカーも指摘していたように労働人口の中心が肉体労働者から知識労働者に変わり、従業員の仕事に対する価値観が、報酬より仕事の内容に対する働きがいに変化しました。

この事により意図的な従業員の満足度向上の仕掛けが必要になった事が要因と考えます。
人、もの、資金、情報、技術の経営資源の中で「経営は人なり」の言葉にあるように人材が、最も重要でこの人材の一人一人がいきいき、自立的に働くような組織体があってはじめて経営の成果がでると考えます。

その為には良い制度・仕組みだけではなく、会社のビジョン、戦略が共有されている事、上司、部下とのコミュニケーションができている事、仕事の内容に働きがいがある事、組織の構成員に仲間意識がある事が必要と考えます。


現場でコンサルティングをしている時に、従業員満足度が低い組織体に出くわす事があります。トップからは改善・改革を指示されているが、組織にやる気がない。形だけこなす対応をする。結果として成果が中々でない。
これは会社のビジョン、戦略の共有、コミュニケーション、仕事の内容、組織体の仲間意識、人事制度・仕組みのいずれかに問題があり従業員満足度が低下しているからだと思います。


今後は、企業の改革の視点「経営戦略構築、ビジネスプロセス改革、企業風土改革」に「従業員満足度」の視点を加えて、問題をとらえ、コンサルティングを実施していくべきと考えさせられたセミナーでした。

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