2013年2月22日金曜日

デフレ環境をみてみる

本日は、
業績の悪い大手家電メーカーと業績の良い東レのような会社の違いは
なんだろうと考えてみたいと思います。


ソニー、パナソニック、シャープは大きな赤字をだしていますが、いずれもフラットテレビ事業の失敗といわれています。
想定外の製品価格低下、韓国・台湾・中国企業の侵攻、円高等により収益がでなくなったようです。
当初、プラズマテレビ、液晶テレビを市場投入をした時は、利益が確保できる新市場として、日本の各社が積極進出しましたが、海外勢が技術的に力をつけるに従い、サムソンのように圧倒的資金力をもった企業が価格攻勢にでるようになりました。
結果として、円高、関税等の影響も含めて、日本企業が劣勢に成り、今の状況になっていると思います。


一方、東レが何故利益が出ているかと考えると、今期は自動車向けの樹脂、航空機向けの炭素繊維の売上が伸び、収益を押し上げたようです。
炭素繊維のように、他社がまねできないオンリーワンの技術力を持っている企業と海外勢と技術的に差別化が難しくなった企業の差ではないかと思います。


私が師匠と仰いでいるピーター・ドラッカーがこのように言っています。
①顧客を創造せよ
②自らの強みを生かせ
③顧客は誰で、何処にいて、何を望んでいて、何を与えられるかを常に考えよ
④マーケティング(ニーズ開発)とイノベーション(技術開発)は経営の両輪


他社がまねできない技術力に磨きをかけて、市場を創造していく事が、重要と考えさせられる内容です。

2013年2月20日水曜日

優しい会社と厳しい会社

今日は優しい会社と厳しい会社についてお話をしたいと思います。

優しい会社とは「仕事に優しい会社」の事で、仕事をしても、しなくても、評価に関係なく、給料は上がり、人事制度が年功序列型の企業の事です。
この会社の特徴は、官僚的な人間関係で組織が安定し、議論を好まず、なるべく波風を立てない受身的な組織風土の会社です。
こんな会社で、よくあるのが、クレームが発生すると原因を顧客に対して営業の対応が悪いからだとか、設計の検討不足が要因とか、営業部門と設計部門でクレーム責任の擦り合いをします。

こんな会社の特徴は
1.それは内の仕事じゃないと、自分の立場を狭く定義して、そこからはみ出さない
2.部門間の情報交換が無く、セクショナリズムが強い
3.残業等遅くまで仕事をしている人が評価され、効率的に仕事をして定時で帰る人は評価されない
4.顧客等の外部からの情報を積極的に取り入れる組織ではなく、内向きの議論が主体になる組織
このような「仕事に優しい会社」がどうなるかというと、官僚的、内向き組織の為、外部環境の変化に柔軟に対応できず、業績は悪化します。
社員にとってはこの優しい会社は一見居心地は良いですが、業績が悪い為、雇用は安定しなく、給与は低く、仕事にやりがいがない「社員に冷たい会社」です。


一方で「仕事に厳しい会社」は高いストレッチ目標が掲げられ、仕事は厳しいですが、やる気のある人が、評価される能力主義型の人事制度を取っている会社です。
この会社の特徴は仲間に信頼関係があり、常に顧客の目線で物事を捉え、改善改革の為に、徹底的に議論がされ、失敗を恐れずチャレンジ精神が根付いている会社です。

こんな会社の特徴は
1.みんなが知っている事を共有している、情報の共有化が出来ている
2.仕事にやらされ感がない
3.新しい事を思いついたら、まずやってみて、まずければ直す気風がある
4.常に仕事の目的を明確にして、行動している
このような「仕事に厳しい会社」がどうなるかと、チャレンジ的、能動的組織の為、外部環境の変化に柔軟に適応し、業績が向上します。社員に取っては、仕事に厳しいが、業績が向上する為、雇用は安定し、給与は高く、仕事にやりがいがある「社員に暖かい会社」です。


あなたの会社は「仕事に優しい会社」か「仕事に厳しい会社」かどちらでしょうか。
ぜひ、考えてみてください。

2013年2月15日金曜日

教育研修の意味

教育研修の意味について、今日は考えてみたいと思います。
仕事柄、研修の講師をする場面が結構ありますが、企業が教育研修をする意味は人材を人罪・人在ではなく、人財に高める事にあるように思います。


・人材 一般的な表し方で、企業活動上での人的な「材料」との考え方を示したもの
・人財  技術、技能を有して、長期にわたり企業を支え、利益をもたらす人の事
・人罪 利益ではなく、企業に損害を与える人の事
・人在 言われた事しかせず、ただ企業にいるだけの人


企業は「経営は人なり」と言われるように、人材の価値を高める事が大切で、その為に色々な教育の仕掛けをしていると思います。
ただ、この時に、教育研修を受ける側も、能動的に学んで、仕事に活かす姿勢がないと教育研修の意味がないと感じます。


是非、皆さん、能動的に自分の能力をあげて、会社の為に頑張る人財になりましょう。

2013年2月13日水曜日

経営とスポーツの基礎

先日、以前にコンサルティングをした企業のメンバーが相談があるとの事で事務所に訪ねてきました。役職も偉くなって、風格も出ていました。
相談内容は新規事業についてでした。
この相談の中で「経営の基礎と応用」という話をしました。


スポーツでは試合に出るまでに徹底的に基礎を叩き込んで腕を磨きます。
私は学生時代にスキーのコーチをしていましたが、初心者には必ず言っていいほどプルークボーゲンを徹底的に教えます。これをマスターしないとパラレル、ウェーデルンが出来ません。このプルークボーゲンによって雪面のスキー操作を覚えます。
上級者も調子が悪くなるとプルークボーゲンで調子を整えます。基礎を大切にしています。


経営もスポーツと同じで基礎が出来ていない会社は何をやってもうまく行きません。
経営の基礎とは、例えば職場環境に対して「整理・整頓・清掃・清潔・躾」という5Sを実施する事です。
工場に不要なものがいっぱいおいてある、床がごみだらけ、決めたことが守れない。こんな工場で製品を作ると不良のヤマになります。
これが基礎が出来ていない典型です。不思議とこの状態から5Sを徹底して、きれいな工場になると不良も減ります。基礎が出来たという事です。


私のコンサルタント業では、この経営基礎を徹底的に仕込む事が最も大切と考えています。
皆さんも基礎を大切にして、是非5Sを実行してみてください。